細かなリフォームを繰り返しながら暮らしている人がいます。トイレの調子が悪いと感じればトイレを直して、お風呂が清潔感を失っているとなればお風呂を新しくしたりと、数年に一度くらいのペースでリフォームを繰り返すという具合です。経済的な面からだけ見れば、決して効率が良いとは言えません。小さな工事を繰り返すのであれば、思い切って建て替えた方が得ではないかと考えるのが普通かもしれません。
しかし、リフォームか建て替えかの選択では、お金だけの問題として割り切れないこともたくさんあります。子供が結婚して家を出てしまった老夫婦にとって住宅は、この先いろんなことが起こる場所と考えることはありません。子供たちが戻ってきて一緒に暮らす可能性も高いとは言えない場合は、長い目で見た経済効率を優先する必要はありません。子供たちを育てたその家こそ、大切な思い出の塊といっても過言ではないです。
建て替えをすれば全てが新しくなり、修繕のことを考える必要はなくなります。費用に関しても、何度も繰り返すリフォーム代金に比べると大きな差が出ることは無いかもしれません。しかし、新築住宅で暮らすことから得られるものは、子供たちを育てた思い出の家を手放すことで失ってしまうものの大きさとは比べ物になりません。建て替えかリフォームかの選択では経済的な理由だけで判断できない部分がたくさんあります。
不経済になっても建て替えを避けることに大きな意味がある場合もあります。